2022年、デビュー25周年を迎えるバンド「TRICERATOPS」について書きたいと思います。
全オリジナルアルバム12枚の紹介とその代表曲を紹介するので
- TRICERATOPSを聴いたことがない人
- TRICERATOPSを聴き始めた人
は
- まずは何を聴いてみるか
- 次にどのアルバムを聴くか
の参考にして頂ければ幸いです。
TRICERATOPSの簡単な紹介
TRICERATOPSは1997年にシングル『Raspberry』でメジャーデビューした3ピースバンドです。
ロックで踊ることをテーマとした楽曲達はリフを多用していて、ノれる曲が多く、かと思えば綺麗なハーモニーを聴かせる曲もあったりします。そしてキャッチ―です。僕の周りの人達に聴かせるとすぐに覚えるのは、印象的なリフが影響していると思います。
メンバーは左から
●和田 唱:ボーカル・ギター
●林 幸治:ベース・コーラス
●吉田 佳史:ドラムス・コーラス
の3人です。
詳しい説明は省きますが、それぞれがソロや別バンドに参加していたりもする、実力者3人です。
TRICERATOPSのオリジナルアルバム12枚の紹介
ということで1枚目のオリジナルアルバム「TRICERATOPS」から最新(2022/4時点)アルバム「Unite/Divide」までの12枚を順番に紹介します。
収録曲の中で太字がアルバムの代表曲、水色線が個人的に好きな曲なので参考にどうぞ。
TRICERATOPS
https://triceratops.net/albumsより
収録曲
- Two Chairs
- 彼女のシニヨン
- オレンジライター
- ロケットに乗って
- 復刻ジーンズ
- Raspberry
- Star Jet
- プレゼント
- アイ・ラブ・エスカレーター
- My Skywalker’s T-Shirt
1998年発売のメジャーデビュー初アルバムです。声が若い。
すごいと思うのは『Raspberry』がデビュー曲ということ。この曲はAメロもサビも同じリフです。こんなことをデビュー曲でやっているなんて。トライセラの代表曲ですし、ライブでも盛り上がる、僕も大好きな曲です。
アルバム全体を通しても1stアルバムなのに色々やっていて良いアルバムです。
個人的に好きなのは『オレンジライター』です。君のライターに貼ってあるシールに写ってる人にモヤモヤするという若い感じな歌詞ですが、落ち着いたテンポでベースがかっこいい曲です。
THE GREAT SKELETON’S MUSIC GUIDE BOOK
https://triceratops.net/albumsより
収録曲
- PARTY
- MIRROR
- GUATEMALA
- FEVER
- GREEN
- GOOD TIMES
- GOTHIC RING
- MASCARA & MASCARAS
- CARAMEL TEA
- LIP CREAM
- SHORT HAIR
シングル曲が4曲も入っていて、他の曲もキャッチ―な曲ばかりな2枚目のアルバム。
熱い演奏の『MIRROR』、オシャレなディスコサウンド『FEVER』、綺麗なハーモニーの『GUATEMALA』、リフバラード『GOTHIC RING』、さわやかな疾走感『SHORT HAIR』までバラエティ豊かです。
全体的に明るくて、聴きやすいアルバムだと思うので、ベスト以外で最初に聴くアルバムをおすすめするとしたらこの「THE GREAT SKELETON’S MUSIC GUIDE BOOK」だと個人的に思います。
A FILM ABOUT THE BLUES
https://triceratops.net/albumsより
収録曲
- GOING TO THE MOON
- VERTIGO
- PRETTY WINGS
- ANOTHER TRAVEL
- SECOND COMING
- if
- CHILDHOOD
- DANCE
- YOU’RE MY GASOLINE
- FUNKY TALK
- UNIVERSE
『GOING TO THE MOON』がポカリスエットのCMタイアップということで一気にバンドの知名度を上げたトライセラの3作目。
前作「THE GREAT SKELETON’S MUSIC GUIDE BOOK」が軽快な明るいイメージだったところからすると、この「A FILM ABOUT THE BLUES」は全体的に重厚なイメージのアルバム。歌詞も前作までの甘い歌詞が少ないです。
最大のヒットである『GOING TO THE MOON』やシングル『SECOND COMING』だったり『PRETTY WINGS』など1曲1曲で良い曲が多いです。何といっても『if』はただのバラードではなく、本当に名曲。
個人的には1曲1曲がずっしり来るので、じっくりと聴きたいアルバムです。
KING OF THE JUNGLE
https://triceratops.net/albumsより
収録曲
- King Of The Jungle
- Silly Scandals
- 摩天楼
- エメラルド
- Hotter Than Fire
- Fall Again
- Rain
- Listen
- Touch Me
- 万華鏡へ
- Groove Walk
- New World
和田さんの咆哮どアップなジャケットが印象的な4枚目のアルバム「KING OF THE JUNGLE」です。
結構ライブで演奏する曲が多いです。『Silly Scandals』や『Groove Walk』は定番で、リフもかっこいいし、ライブでも盛り上がりますね。
個人的には『Rain』が大好きで、「こ~の雨~」からギターソロまでがめちゃくちゃ良いのでおススメです。
ファルセットで歌う『Touch Me』や林さんの歌う『Listen』などもあり、色々なトライセラが聴けるアルバムです。
DAWN WORLD
https://triceratops.net/albumsより
収録曲
- Fly Away
- 2020
- Couple Days
- New Lover
- Heaven
- Change Your Life
- Broken
- スカルの柄
- Be My Baby
- Waiting For You
- Driver
- Old Lighter
- Finally
- Diamond Girl
ビクター移籍後の初アルバムは架空のテーマパーク「DAWN WORLD」がコンセプト。
歌い方も含めて、前作までと変わって良い意味で落ち着いた印象です。そのせいか若干暗いイメージもあるのですが、しっとり聴けるアルバムで、個人的にはアルバム全体としてかなり好きです。
そういう言い方をすると、個々の曲は弱いのかと捉えられるかもしれませんが、そんなことはなく、爽やかでのびのびとした『Fly Away』は歌詞も良くて大好きな曲だし、『2020』や『Finally』など名バラードもあるし、アコギがかっこいい『New Lover』も良いです。
林さんの『Driver』や吉田さんの『Old Lighter』も普通に良い曲だし、、こうして見ると結構色々やってるアルバムですね。
個人的には『Change Your Life』のリフからのポップなサビが好きです。
LICKS & ROCKS
https://triceratops.net/albumsより
収録曲
- MECHANICAL FRIEND
- 1000 LOVE
- TATTOO
- 世界は燃えている
- 何気ないSUNDAY
- ROCK MUSIC
- 赤いゴーカート
- JOHNNY DEPP
- CAROUSEL
- 夜のSTRANGER
前作の「DAWN WORLD」から打って変わってロック。ギターリフ全開といった感じで元気なトライセラのパワーを感じられます。
このアルバムを象徴しているのは文字通り『ROCK MUSIC』だと思います。トライセラ史上最高にカッコいいリフで押し切る。歌詞も古典的なというか伝統的なというか、そんなロックのイメージそのままの歌詞です。
個人的には『夜のSTRANGER』が演奏も歌詞も良くて、アルバムラストということもあってか、心に来るものがありました。
THE 7TH VOYAGE OF TRICERATOPS
https://triceratops.net/albumsより
収録曲
- Favorite St.
- Parachuter
- Ace
- エベレスト
- THE CAPTAIN
- Now I’m Here
- It
- Big Bag Blues
- Jewel
- ラストバラード
- Any Day
航海がテーマだと思われる7枚目「THE 7TH VOYAGE OF TRICERATOPS」です。
前作、前々作から、よりバランスの取れた、統一感のある超良作。このかっこいいリフ、グルーヴがトライセラって感じです。
『Ace』のリフは特にかっこいいし、リフでポップな『Now I’m Here』もいいし、シングルの『Jewel』はポップだけどカッコよくて今までに無い感じですごく良い。
個人的には『エベレスト』が壮大だけど、でも身近なことを歌っていて、暖かい気持ちになれる大好きな曲です。
そして『ラストバラード』がすごく良くてこれで終わるのかと思いきや、名前の通りにラストにせずに『Any Day』で終わるのも非常に良いです。何回でもループできます。
LEVEL 32
https://triceratops.net/albumsより
収録曲
- トランスフォーマー
- Scar
- Warp
- Walk In The Park
- Vine
- ホログラム
- ベル
- 僕らの一歩
- ハンマー
- 33
- アンブレラ
- ブレーカー
8枚目「LEVEL 32」。32は「me too」という意味を持っているということで、それにふさわしい共感できる歌詞が多く、聴いていると励まされるアルバムです。
具体的にシチュエーションがイメージできる曲が多く、1曲1曲の物語が素敵です。『Walk In The Park』なんて、なぜこのメロディで綺麗な別れの歌になるんだろうか、短い映画みたいです。
歌詞の事ばかりになってしまいましたが、演奏はゴリゴリなロックという感じはなくて、クールなロックって感じです。
ライブで盛り上がる『トランスフォーマー』やカッコいいリフの『Warp』、暖かな幸せを感じられる名曲『僕らの一歩』などなど良い曲ばかり。
個人的には『ハンマー』が良いテーマだなあと、お気に入りです。
MADE IN LOVE
https://triceratops.net/albumsより
収録曲
- SPACE GROOVE Ⅰ
- FUTURE FOLDER
- PYRAMID CRASH
- PHOTOGRAPH
- LOONY’S ANTHEM
- シラフの月
- COMIC HEROES
- FOREVER
- シリンダーの中の夢
- MILK&SUGAR
- SPACE GROOVE Ⅱ
- MADE IN LOVE
移籍後初アルバムは9枚目「MADE IN LOVE」。テーマは「スペース・グルーヴ」。前作の「LEVEL 32」に比べると華やかでキラキラした印象。デジタルサウンドも取り入れています。
スペース・グルーヴとは何なのか、僕ははっきりわかっていないのですが、前向きですごくパワーを感じる曲が多いです。それがスペース・グルーヴ?なのかな??
はっきりわからないと言っておきながら、アルバムの表題曲『MADE IN LOVE』はスペース・グルーヴです。ポップなメロディに力強いグルーヴで、前向きな歌詞です。
そして、そういった力強さの合間に挟んでくる、色気のある『シラフの月』、綺麗なメロディの『FOREVER』みたいな曲もあり、バランスが良いです。
WE ARE ONE
https://triceratops.net/albumsより
収録曲
- あのね Baby
- Neo Neo Mods
- I GO WILD
- Happy Saddy Mountain
- 爆音Time(TRICERATOPS with 藤井フミヤ)
- Invisible~透明のハグ~
- ZOMBIES
- Startin’ Lovin’ (TRICERATOPS with May J.)
- CanとCan’tのパスポート(TRICERATOPS with 菅原卓郎 [9mm Parabellum Bullet])
- 後ろの君へ
- 3000ワットのスピーカー
- GIRLS
- WE ARE ONE
タイトルの通り、ゲストボーカルを迎えた曲もしっかりまとめて俺たちは一つだ!的な10枚目「WE ARE ONE」。
前作「MADE IN LOVE」のデジタルな感じは無く、タフな感じ。1曲目の『あのね Baby』のベースリフからやられます。
メッセージ性の強いアルバムで、『Happy Saddy Mountain』の人生の山あり谷ありをジェットコースターに見立てている歌詞は大好きです。あとは、『ZOMBIES』なんかも人は何度でもやり直せるってことをゾンビで表現するのも好きです。
また、何といってもゲストボーカルですね。特にMay J.さんとの『Startin’ Lovin’』なんてトライセラだけならやれない曲だと思いますので、このアルバムの聴きどころです。
そしてそういった様々なジャンルの曲をヒップホップなリズムをロックに落とし込んだ表題曲『WE ARE ONE』で「俺たちは一つ!」と〆る。さすがです。
SONGS FOR THE STARLIGHT
https://triceratops.net/albumsより
収録曲
- GRRR! GRRR! GRRR!
- HOLLYWOOD
- スターライト スターライト
- ポスターフレーム
- GOOD ENOUGH
- PUMPKIN
- 僕はゴースト
- 虹色のレコード
- FLASH!!!
- 恋するギターとガーベラの花
- ふたつの窓
特典CD:STAND BY ME / Quattro Formaggi(桜井和寿+TRICERATOPS)
前作から約4年の間が空いてリリースされた11枚目「SONGS FOR THE STARLIGHT」は、すごく作り込まれたアルバムという印象で、ベースとドラムがとても良い。どの曲もめちゃくちゃ聴きごたえがあります。
踊れる曲が多く、中でも『スターライト スターライト』は切なさもある不思議な魅力を持っている名曲です。一発撮りのMVもめちゃくちゃセンスが良くて好きです。
歌詞も前までと違う感じで、特にラブソングは大人な落ち着いた雰囲気の内容になっています。特に『PUMPKIN』の平凡な幸せを歌っている歌詞がお気に入りです。また、「この道が正しいのか迷った時もあったけど、またここから再スタートしよう」的な歌詞の『ポスターフレーム』や『ふたつの窓』はラブソングでありながらバンド自身のことを歌っているような内容でもあり、ジーンと来てしまいます。
ということでアルバム自体が最高の出来なのですが、更に特典CDにはトライセラの3人とミスチル桜井さんのユニット「Quattro Formaggi」の『STAND BY ME』が入っています。
ミスチルも大好きな僕からするとこの「Quattro Formaggi」最高です。
この『STAND BY ME』は和田さんと桜井さんでやり取りしながら作った共作らしいのですが、トライセラらしさがある曲であり、歌詞には桜井さんらしさも感じます(特に2番)。ただ、別の道もあったかもしれないけど、今のこの状況を肯定していく感じは「SONGS FOR THE STARLIGHT」の曲達に通ずるところがあるので和田さんの心情が強く反映されたのか、ミスチルの再スタートの時期とも重なるので、二人とも同じモードだったのか。。。
とにかく、飽きない大好きな曲です。
Unite / Divide
https://triceratops.net/albumsより
収録曲
- Unite / Divide
- マトリクスガール
- CLUB ZOO
- 仮面の国
- いっそ分裂
- LOST
- 噴水
- キミにひとつ地球
- ROSIE
- リメインズ
- THE GREAT ESCAPE
- 仮面の国 -United-
前作「SONGS FOR THE STARLIGHT」から7年4か月、お待たせしすぎたかもしれない12枚目の最新作「Unite / Divide」。
デビュー25周年にリリースされた本作は大傑作でありながら問題作とも言えるのかもしれません。
和田さんの社会への怒りを感じる『仮面の国』『いっそ分裂』はかなりストレートな歌詞です。「かつて『We Are One』って歌った」のに『いっそ分裂』です。そういう面で非常にメッセージ性の強い、強烈なエネルギーを感じられるアルバムです。
全体的に憂いを感じる曲が多く(そんな中で『噴水』みたいなエロ曲や、『キミにひとつ地球』みたいな優しくてちょっと和田さんソロのアルバムを思い出すような曲もありますが)聴いていて苦しい感じにもなります。が、それが『THE GREAT ESCAPE』できっちり救われます。というかこの『THE GREAT ESCAPE』が先行シングルで聴いたときより断然良く聴こえるのは、このアルバムの流れで聴くからなのか、音が良くなったからなのか。
そういう『THE GREAT ESCAPE』までの流れも好きですし、1曲目『Unite / Divide』で始まり、最後『仮面の国 -United-』で終わるのもアルバムとしてすごく好きです。このアルバムは絶対シャッフルでは聴けない。
個人的には『LOST』の歌詞に出てくる狼男のような曲の豹変ぶりが気に入ってます。
問題作と言いましたが、クオリティの高い本当に良いアルバムであることも確かなのでおススメです。
TRICERATOPS どのアルバムを聴く?
最新作だし、今だからこそ「Unite / Divide」を聴くべき。「Unite / Divide」を聴きましょう!
というのはもちろんのこと、、、
●TRICERATOPSを聴いたことがない人
がまず、聴いてみるのに個人的おススメのアルバムは
「THE GREAT SKELETON’S MUSIC GUIDE BOOK」
もしくは
です。
もちろんベストアルバムから聴いてもいいのですが、、
個人的にすんなり聴けるのは「THE GREAT SKELETON’S MUSIC GUIDE BOOK」で、トライセラの凄さみたいなものを知れるのが「SONGS FOR THE STARLIGHT」かなと思うのでこの2枚をおススメします。
そして
●TRICERATOPSを聴き始めた人
がどういう順番で聴くのがいいかというと、「1枚目から順番に聴く」or「最新から順番に遡る」をおススメします。
そうすると、トライセラがどうやって今に至るのか、当時の葛藤だったりも感じられて良いです。
そんな時間ないよ!って話であれば、、個人的に「THE 7TH VOYAGE OF TRICERATOPS」が好きです!
今の時代、アルバム単位で聴くというのは中々ないと思うのですが、アルバムってやっぱり良いなと最新作「Unite / Divide」を聴いて思いました。
皆さんも少しまとまった時間を作ってアルバム単位で聴いてみるのはいかがでしょうか?
僕は無職になったので時間作りまくれます。やったー。。。
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